横尾忠則現代美術館の4階にある「キュミラズム・トゥ・アオタニ」を見てきました。
キュミラズム・トゥ・アオタニとは、2021(令和3)年、建築家の武松幸治氏の監修でつくられた空間で、横尾忠則氏によって「キュミラズム・トゥ・アオタニ」と名づけられました。
極端に細長い小部屋で、西側と北側に窓が設置されています。鏡がたくさんあるためか部屋全体がとても明るい印象。窓外に広がる摩耶山麓の風景が鏡に映り込み、まるで大型の万華鏡の中に迷い込んだような気分になれます。なお、この部屋は撮影OKです。
窓の前に白い椅子が置かれていました。ちなみに「キュミラズム」というのは「キュビズム」と「ミラー」を組み合わせた造語。
椅子に腰を下ろすと、摩耶山麓を正面から眺めることができます。摩耶山のふもとの青谷町(当時)は、横尾夫妻が新婚時代を過ごした場所。煉瓦色の洋館は神戸文学館。昭和37年に関西大学のチャペルとして建てられた建物で、神戸ゆかりの文学者の原稿を展示しています。
王子動物園の観覧車も見えました。
南側の壁。窓がないのですが、北側の窓外の風景が鏡に映り込んでトリックアート的な效果を生んでいます。
個人的な感想ですが、「キュミラズム・トゥ・アオタニ」は、むかし遊園地や海水浴所にあったアトラクション「びっくりハウス」や「ミラーハウス」などと、同じ雰囲気を持っていると思いました。
補足しますと、「ミラーハウス」は鏡でできた巨大迷路。「びっくりハウス」は、椅子が揺れて天井・床・壁がぐるぐる回転する小部屋で、昭和の遊園地では絶叫マシーン的な立ち位置のアトラクションでした。椅子が前後に揺れているだけなのに、回転しているような錯覚が起きるのが面白く、遊園地に遊びに行ったときは必ず乗り込んだものです。
You Tubeに公式の動画がありました。
横尾忠則コレクションギャラリー + キュミラズム・トゥ・アオタニ - YouTube
さて、この美術館は2~4階に展示室があるので、エレベーターか階段で移動しながらの鑑賞になります。印象的だったのは、2階展示室のBGM。おそらく西部劇のテーマ曲「夕陽のガンマン」だったと思います。
鑑賞に疲れたときは、一階にある「ぱんだカフェ」でひと休みできます。横尾氏デザインの食器で飲食できるそうですよ。
(2022年7月撮影 機材:Canon EOS M6)