関西 日帰りカメラ旅

神戸市在住。日帰りで行けるちょっといい場所を訪ねて写真を撮っています。

【神戸】光と風のパワースポット「五色塚古墳」――円筒埴輪の向こうに広がる海と明石海峡大橋

兵庫県で最も大きな前方後円墳五色塚古墳」を訪ねました。


JR垂水駅で下車して15分ほど歩くと「五色塚古墳」に到着。
入口の横にある小さな管理事務所に入って、
管理ノートに「どこから来たのか、何人で来たのか」を
記入した後、パンフレットをいただいて入園。
入園料は無料でした。

 

この古墳が築かれたのは、古墳時代中期・4世紀後半。
今は、表面が石で覆われていますが、昔は松がたくさん生えていたそうです。
この松は、第二次大戦中に伐採されて舟材となり、
戦後になると、古墳の表面が開墾され畑として使われたそう。
古墳の上は日当たりが良く風通しも抜群なので、
野菜がすくすく育ったことでしょう。

 

畑とともに古墳は壊されたと考えられていたのですが、
昭和40年代に神戸市が発掘調査を実施。
良い状態で残っていることがわかったため
約10年の歳月をかけて復元工事を行い、
現在の姿となったそうです。

 

一部、黒い石も使われていますが、これは古墳が造られた古墳時代に、
淡路島の東海岸から運ばれてきたもの。
この写真では、左側全体に淡路島の石が敷き詰められています。
さりげなく置かれていますが1650年前に淡路島で採取された石なんですね・・。

 

今は主に、昭和時代に用意された白い石が使われているので、
古墳全体が明るく軽やかな印象ですが、
築造された当初は、全体が黒い石で覆われていたのかもしれません。
そうすると、古墳全体が真っ黒なわけですから、
もっと威圧的で恐ろしい印象だったかもしれません。

 

さて、後円部の上段へと続く階段を登ります。
急角度なので手すりを使ってゆっくりと。

後円部の上段にある広場は、周囲をぐるりと円筒ハニワが取り囲んでいます。
これは、古墳が持つパワーを囲い込むためという説があります。

 

明石海峡大橋と淡路島、煌めく海を一望。
この場所はおそらく夕景が美しいと思うのですが
17時閉園なので撮影は難しそう。

後円部の高さは約18.8メートル。マンションの6階とほぼ同等の高さです。
古墳の周りには建物がないので、全周囲360度を俯瞰できます。

 

後円部の広場に敷き詰められた黄土色の土。
上空から降り注ぐ光が地面でも反射して
広場全体の明るさが増しているように感じられました。

今は、駅近の展望台としても活用されている身近な文化財ですが
はるか昔は、ここで儀式や祭礼が行われたかもしれない神聖なエリア。

暖かい太陽の光を浴びながら海風に吹かれて、目前に広がる絶景を見渡していると、
自然に視野が広がっていくような気分になれます。

町並みの向こうにそびえる山は、古代人が見た風景と同じかもしれません。

 

この古墳を築造した人物は、ヤマト(奈良)に本拠をかまえた大王につかえ、
明石海峡とその周辺を支配した豪族であると考えられているようですが、
誰なのかは特定されていないようです。

兵庫県一の大きさを誇る古墳の主が誰かわからないのは、
よくよく考えてみると不思議なこと。
発掘調査もされていないようです。
でもまあ、謎のままの方がいろいろと空想できて面白いかもしれませんね。

■参考資料:五色塚古墳パンフレット

(2023年4月撮影 機材:Canon EOS M6)

 

 

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