ポートアイランド北公園にある「みなと異人館」は
1905年に英国人貿易商ヘイガーさんの邸宅として神戸北野町に建設され、
80年代にポートアイランドに移築された洋館です。
ヘイガーさんにはルイーズさんという娘さんがいて、
4歳から14歳までこの館に住んでいたそうです。
館内の展示資料によると
1984年、ルイーズさんがお孫さんと一緒に
この異人館を訪れていたので驚きました。
実に69年ぶりのご帰宅だったようですね。
活発な少女だったルイーズさんは
2階の室内をローラースケートで走って遊んでいました。
洋館の長い廊下や螺旋状の階段は、
子供にとっては良い遊び場だったと思います。
お父さんとお母さんに怒られても
やめられなかったかもしれません。
ルイーズさんが住んでいた頃、
窓から緑豊かな諏訪山が見えたそうですが、
今は青い港が広がっています。
それにしても、高い天井や大きな窓、
ところどころに凝った装飾が施された
こんな館で幼少期を過ごせたら素晴らしい。
異文化に対する興味や理解が自然に深まりそうな気がします。
私も時々、子供の頃に暮らした場所を訪ねたくなることがあります。
昭和40年代ごろに量産された無機質な雰囲気の団地で育ったんですが、
使い勝手が良いとは言えない階段と踊り場を使って、
当時流行っていた「じゃんけんグリコ」で遊んだことを
鮮明に覚えています。
幼い日の思い出がいっぱい詰まった団地は、
開発の波にのまれて取り壊され
今は跡形もないので、ルイーズさんが少しだけ羨ましくなりました。
参考資料:みなと異人館パンフレット、館内展示物(神戸新聞)
(2023年6月、2024年5月撮影 機材:CANON EOS M6、CANON EOS RP)