有馬の路地裏。電信柱の陰からこちらを覗き見ている怪しい人影に驚かされました。
このシュールな看板は、「飛び出し坊や」をベースにした現代アート作品です。
作者は、京都出身のアーティスト小川しゅん一(おがわしゅんいち)さん。
飛び出し坊やといえば
日本全国の通学路などに設置されている
注意喚起を目的とした看板です。
交通安全を啓蒙する飛び出し坊やもアーティストの手にかかると、
シュールさと懐古感と怪しさが一体となった
アート作品になるんですね。
顔の部分にはめ込まれているモノクロ写真のモデルは
有馬温泉で働く実在の方々なのだとか。
私は4種類しか発見できなかったのですが、
他にもあるようです。
探しながら歩いてみるのも楽しいかもしれません。
こちらの飛び出し坊やの横には、赤い鳥居と祠があります。
そのすぐ横に小さな井戸のような「妬湯(うわなりの湯)」がありました。
江戸時代に発刊された「摂津名所図絵、有馬手引書、和漢三才図絵」に、妬湯で発生したとされる異変についての表記があります。
・女性が盛装してこの温泉の前に立つと湯が激しく湧き出した
・この温泉の前で、悪口を言ってののしると湯が湧き出した
妬湯の由来は定かではないのですが、
むかしむかし男女関係のもつれによる悲劇が
起きた場所と聞いたことがあります。
こうした悲しい出来事が、
言い伝えの起源になっているのかもしれません。
さて、こちらは老舗喫茶店「喫茶・パーラー いずみ」さん。
看板の書体がいい味だしてます。
人気メニューはモーニングとフルーツサンド。
壁を覆い尽くす青いツタは風情がありますね。
あいにく定休日だったので1階部分がシャッターで閉ざされていますが....。
このお店はアニメ「有頂天家族2」の聖地として知られているので、
営業日は、ファンの巡礼でにぎわっていることでしょう。
松茸昆布のお店の横に、赤い丸ポストがありました。
それではまた。
(2022年6月撮影 機材:Canon EOS RP)