関西 日帰りカメラ旅

神戸市在住。日帰りで行けるちょっといい場所を訪ねて写真を撮っています。

【明石】宇宙への想いがつながるトンボの標識「子午線標示柱」

明石市立天文科学館、北側にある不思議な柱

頂点にトンボがあしらわれていることから「トンボの標識」と
呼ばれることもある子午線標示柱は、
明石市立天文科学館の北側、月照寺の門前にあります。

昭和3年に京都大学観測班が行った天体観測で、
人丸山上を東経135度子午線が通過していることがわかり、
昭和5年月照寺の山門前にこの標識が建設されました。

その後、昭和26年に実施された再観測に基づいて、
標識は11メートルほど移動され、現在ある位置に落ちつきました。

 

地球をあらわすカゴ状の球。
切り紙細工のような「子午線」の文字プレートも
ファンタジックな可愛らしさ。


子午線とトンボに、どういったつながりがあるのか不思議だったんですが、
日本の古名である「あきつ島」に因んでいるそう。
あきつ(トンボ)は日本を象徴する生き物なんですね。
トンボが舞い飛ぶ里山の風景を見ると
なんともいえない懐かしい気持ちになる理由が
今更ながらわかりました。



ネズミやイノシシ、ニワトリなどの動物を象ったプレートが
球の周囲をぐるりと取り囲んでいます。
一瞬、星座かと思ったのですが
星座ではないようです。
調べてみると干支でした。

干支は、年、月、日、時間、方位などを示すためにも使われ、それらの吉凶をあらわすようにもなりました。例えば方位は北から東周り(時計周り)に子、丑、寅・・・と12等分します。(出典:国立国会図書館 日本の暦)

 

この犬のモデルはゴールデンレトリバーかな?
干支は古代中国の思想や易から発生したものなので、
柴犬のような和犬をモチーフとしたほうが馴染みそうですが、
この柱がつくられたのは昭和初期ですので
洋犬のほうが洒落た感じで良かったのかもしれません。

 

球の内側にも、干支のプレートが付いているんですよ。
これならどの角度から見ても方位がわかりますよね。

宇宙戦艦ヤマトの原点

SF漫画作家の松本零士さんが子供時代に見て
宇宙に興味を持つきっかけとなったことでも
知られているこの標示柱。

この柱をデザインした美術家が誰なのか
詳細は伝わっていないようですが、
これがなければ、松本零士さんが宇宙ではなく
別の何かに興味を持ったかもしれない・・・
そして、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」などの名作SF漫画が
誕生しなかったかもしれないと考えると、
約100年前に、この標示柱をデザインした人の凄さを感じずにはいられません。

(2022年9月撮影 機材:CANON EOS M6)

 

 

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