KIITO三宮図書館は、令和9年までの「期間限定の図書館」
7月26日、三宮再整備に伴い、新港地区にある「デザイン・クリエイティブセンター神戸(通称KIITO:キイト)」に移転、新たにオープンした「KIITO三宮図書館」を訪れました。
図書館が仮移転した「KIITO」が建設されたのは昭和2年(1927年)。当時は、輸出生糸の品質検査を行う施設「旧神戸市立生糸検査所(旧館)」として使われていました。
2007年に保存活用を求める運動が高まり、2009年に神戸市が土地建物を購入。現在は、神戸市の「デザイン都市・神戸」の拠点施設「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」として活用されているそうです。
正面からKIITOを眺める。完全に左右対象の建物なのですね。
レトロかつモダンなエントランス。本当に図書館がこの中にあるのか?恐る恐る扉を開いて中に入る。歴史的建築物特有の重厚な雰囲気を残しつつ、センス良くリノベーションされた空間が広がっていました。
建物内には、クリエイティブラウンジやレンタルスペース、カフェなどがあり、デザインやアートに関するイベント、展覧会が随時開催。
ちなみに、生糸検査に使われていた機器が展示された「生糸検査所ギャラリー」は自由に見学できました。
三宮駅前から新港地区へと一気に移転した三宮図書館ですが、令和9年度に「雲井町5丁目再開発ビル」に、また移転する予定だとか。ですので、KIITO三宮図書館は、約5年間だけの「期間限定の図書館」で、歴史的建築物の中にある図書館を楽しめるのは今だけ。この限定感はレトロ好きの心をくすぐりますね。
座席数は110席、気分に合わせて座りたい
2階の図書館へは、エレベーターで移動できるのですが、あえて階段を歩いてみることに。風格のある石造りの手すりが、日本が世界最大の生糸輸出国として繁栄を極めたころの輝きを今に伝えています。
図書館内は、ソファでくつろいだ状態で本を読める「ブックリビング」や、子供が靴を脱いでカーペットの上で読書できる「キッズコーナー」、読書や学習に利用できる「グループ学習室」などが完備。司書おすすめの本が展示されたブックマルシェもありました。
座席数は110席。なかでも壁をマッシュルームのような形に彫り込んだ「ニッチ」という座席を使ってみたかったのですが満席でした。座りたくなる座席というのは皆同じなのですね。
新港地区は交通量が多めで、大型トラックなども往来するエリアですが、図書館内はとても静か。防音がしっかりしているようで、本を読みながら騒音に悩まされることはありませんでした。
また、オープンしたばかりということもあって館内は隅々まで美しく、歴史的建築物にすんなり溶け込む上品な館内デザインが居心地の良さを生み出していました。
アクセス
エントランスのすぐ横に、連節バスPort Loop(ポートループ ) のバス停「KIITO前」があるので、このPort Loopを使うのが、最も利便性が高いと思います。
他に、神戸市バス「税関前」バス停も最寄りですが、税関前を経由する29系統は便数が少ないので、事前に時刻表を確認しておく必要があります。
ちなみに、こちらが連節バスPort Loopの走行シーン。バスを2台連接しているので、車体全体が非常に長いですね。交差点で、右折や左折をするときは迫力があるのではないでしょうか。
またKIITOには、一時利用駐車場が13台あるのですが、あっという間に満車になりそうな気もします。
三宮駅からは徒歩20分、ポートライナー貿易センター駅からは徒歩10分なので、いっそのこと歩いた方が早いかもしれません。
三宮駅から歩くのであれば、フラワーロードをまっすぐ南下して、税関前歩道橋をわたり高速道路の高架をくぐります。高架をくぐると、神戸税関が見えるので、その位置で写真を撮りました。神戸税関の東、「日本で一番短い国道174号線」をはさんだ向かい側にKIITOがあります。
貿易センター駅からは、みなとのもり公園の中を通ると早いと思います。
(2022年8月撮影 機材:Canon EOSM6)
■KIITO三宮図書館(神戸市立三宮図書館)
神戸市中央区小野浜町1-4
デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)2階
■参考資料