神戸市兵庫区島上町にある「旧加藤海運本社ビル」を見に行きました。この建物は、神戸を拠点とする物流会社「加藤海運株式会社」の創業ビルとして昭和初期に竣工されました。一度見ると忘れることができない重厚な外観、経年による変色が年代を感じさせます。
旧加藤海運本社ビルは現在、オフィス・倉庫としては使われていないようです。が、近年、映画・ドラマのロケ地として採用される機会が増えているようで、たとえば、2018年にNetflixで公開された「The Outsider」。2019年に公開された「アルキメデスの大戦」、2020年公開の「スパイの妻」、テレビドラマ「DIVER-特殊潜入班‐」などなど。スパイの妻は1940年代の神戸を舞台にした映画で、旧加藤海運本社ビルはヒロインの夫が営む貿易会社という設定で登場しています。
建物内も拝見したいものですが内覧はできません。そこで内部の様子がわかる写真を探しました。文化庁の「全国ロケーションデータベース」に旧加藤海運本社ビルが登録されていることがわかりました。同サイトに掲載された写真によると、室内のデザインはレトロモダンな印象で床は白と黒のタイル張り、2階の窓から港を見渡せるようです。
旧加藤海運本社ビルの近くには、もうひとつの歴史的建築物「石川ビル（旧東京倉庫兵庫出張所）」があります。石川ビルの竣工は明治38年（1905年）と古く、神戸市景観形成重要建築物に指定されています。赤レンガの色がとても鮮やかで美しく現在もオフィスとして活用されているようです。
■旧加藤海運本社ビル
（2022年1月撮影 機材：Canon EOS M6 Canon EOS RP）
