京都市右京区嵯峨。映画俳優・大河内傳次郎が造営した「大河内山荘」は、本来なら春か秋に訪れるべき桜・紅葉の名所ですが、諸事情が重なり3月初旬(2018年)に訪れました。
あいにくの雨模様で来園者はまばら。お休み処(?)で手荷物を預かってもらえたので、雨除けのレインカバーを取り付けたカメラだけを手にして庭園へ。レインカバーがレンズの前に垂れ下がってくるのを気にしながらの散策です。
上の写真は、庭園内の中門で登録文化財。
大河内傳次郎が小倉山に大河内山荘を置いたのは1931年のこと。約6000坪の広さを持つ山荘を自ら設計、造営に30年もの歳月をかけました。ギャラの大半を注ぎ込んだというのですから、昭和スターのスケールの大きさは桁違いです。
傳次郎の別荘であったころは、高峰秀子や片岡千恵蔵、山田五十鈴、京マチ子などのが山荘に招かれていたそう。招待客のスケールも桁違い。
園内の月香亭から望む比叡山、京の町並みなども見どころのひとつ、なのですが、
この日は厚い雨雲に遮られて何も見えませんでした。
立ち回りで真剣を使ったり、散策中に見つけた石地蔵を持ち帰って山荘に飾ったり、破天荒なエピソードを持つ大河内傳次郎。昭和スターは豪快な人が多いように思えます。世の中が今よりおおらかだったからスターも自由奔放な振る舞いができたということでしょうか。
登録文化財、持仏堂。雨に洗われた屋根が黒く光っていました。敬虔な仏教徒でもある大河内傳次郎はここで朝夕「南無阿弥陀仏」を唱えて過ごしたそう。
園内に傳次郎の活躍を写真やパネルで解説した資料館がありました。
資料館に展示されていた「丹下左膳」のポスター。残念、傘が写りこんでしまいました。
しかしこの絵は素晴らしい。隻眼隻手の剣客・丹下左膳は傳次郎の当たり役で、当時は眼光の鋭さが評判を呼んだそう。この絵を描いた絵師さんも、その辺りは心得ていて特に入念に目を描写したようですね。レトロな書体も面白い。「日活会社秋季超特○品 オールトーキー ウエスタン式時代劇第一回○声 大河内傳次郎主演 丹下左膳」。○の箇所は解読できなかったのですが気になります。
枯山水のような白砂と松。桜も紅葉もない時期に訪れたので見どころがないのではと心配したのですが取り越し苦労でした。濃緑の松や、葉を落とした木など水墨画のような庭園を味わえてよかったです。
ちなみに大河内山荘の入場料は1000円(2018年3月時点)。入場料に抹茶と菓子代が含まれていたので庭園を見た後、園内のお休み処で休憩しました。
包紙に「大河内山荘」の文字。山荘オリジナルのお菓子かな。包紙を開くとでてきたのはモナカ。甘さ控えめの上品な味でした。
(2018年3月撮影 機材:Canon EOS M6)