関西 日帰りカメラ旅

神戸市在住。日帰りで行けるちょっといい場所を訪ねて写真を撮っています。

【奈良】猿が護るならまちの信仰「庚申堂」

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元興寺の旧境内を中心とする「ならまち」エリア。そのほぼ中心部に庚申堂(こうしんどう)という小さなお堂があります。

 

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お堂の正面に猿の石像。小さなお堂ですが、伝統的な町家が並ぶならまちですので赤い提灯がひときわ目立ちます。提灯には「吉祥天女」「地蔵菩薩」「青面金剛」「庚申さん」の文字。

 

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屋根にも猿が。3匹の猿がそれぞれ耳・口・目を手でおおいかくしています。このポーズは「見ざる・聞かざる・言わざる」で間違いないと思います。

 

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母猿に甘える2匹の小猿。どこかコミカルな猿たちの像がこのお堂を親しみやすいものにしています。

 

このお堂は奈良の庚申信仰の拠点で、「庚申さん」と呼ばれる青面金剛が祀られています。猿を撮っている最中に素朴な疑問が頭をよぎりました。庚申信仰って何でしょうか?猿とどういった関係があるの?

 

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庚申信仰とは、干支の組み合わせで『かのえ・さる』になる日に厄災が来るとされている民間信仰です。

ならまちの伝説によると、人の体には厄災を起こす「三尸の虫」が潜んでいると考えられていました。そこで人々は、虫による災いを避けるため、庚申の日には三尸の虫が苦手とするコンニャクを食べ、家の軒先に猿を吊るしたそうです。ちなみに猿は庚申さんのお使いです。

三尸の虫、猿、コンニャク...まさに子供向けの絵本から抜け出てきたような伝説と外観をもつ愛すべきお堂だと思いました。

 

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屋根の上に猿がいるだけではありません。持ち主の代わりに災厄を受けてくれる赤いぬいぐるみ「身代わり申(さる)」がお堂の天井からたくさん下がっていました。

この身代わり申は、ならまちの商家や民家の軒先にも吊るされています。ならまちの土産物として販売されていたのですが買い忘れました。うちのベランダに吊るしたかったな。

■庚申堂:奈良市西新屋町39

(2021年11月撮影 機材:CANON EOS M6)

 

 

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